1.磁器について
原材料の記述が無い商品は全て磁器製品です。磁器は長石などを主成分とする磁土を成型し、1200度から1400度の高温で焼成した焼き物の総称です。ほとんどの場合土の色は白くきめ細かく、指ではじくと高い音がするのが特徴です。最近では色釉が発達しており、陶器と比べると風合いは多少劣りますが様々な色や質感の磁器製品が作られる様になりました。磁器は強度が高く吸水性も低い為、取扱いが楽で市場に出回る多くの食器が磁器で作られています。
2.陶器について(土物)
陶器は一般的に石質を含まない粘土を成型し、およそ800度から1200度で焼成された焼き物の総称です。磁器と比べて粒子が荒く、自然な風合いをたのしむことができる事が最大の特徴であるといえます。土の色や粒子の粗さも様々で、土の個性を活かした特徴的な製品を作ることが出来ます。また、焼成時の収縮が少ない為、非常に多くの釉薬と相性が良く様々な色や質感の表現を可能にする事ができます。
陶器に使われる釉薬の多くは貫入と呼ばれるひびが入っています。ものにより貫入の度合いも変わり、目に見えないものも有ります。そのうえ土の粒子が荒い為、吸水性が高く、食材の水分や色素を吸い込んでシミになったり、湿ったまま棚などへ収納してしまいカビや匂いが発生したりする事もあります。また、揚げ物等の油分が多い物を直接陶器に盛付けると油のシミになってしまう事もあります。陶器はご使用になる前に水に浸けるなど、汚れ等が染み込みにくくなる様にひと手間かけてご利用ください。また、電子レンジの使用は、急激な熱変化で水分等が膨張し、破裂や破損する恐れがありますのでお勧めできません。
古来より陶器は使うたびに風合いが増し、世に二つとない作品を作り上げる事が一つの楽しみとなっています。手間をかけ器を育てる喜びもお楽しみ頂ければ幸いです。
3.半磁器について(半磁)
半磁器は陶器と磁器の原料を調合し、およそ1000度から1300度で焼成された焼き物です。炻器(ストーン)と言われる焼き物もこれに含まれます。基本的には磁器に近い強度と陶器の様な風合いを持ち合せた焼き物です。半磁器も多少の吸水性がありますのでご使用には注意は必要です。
4.強化について
強化は主に磁器にアルミナ等を混ぜ、素材自体の強度を高めた焼き物です。基準は各メーカーによりますが、通常の磁器(陶器の場合もあります)に対して衝撃や曲げに対する強度が10~100%程度高くなっています。ただし、和食器はいびつな形状が多く、一概に破損が減ると言えない事も事実です。
5.貫入について
陶器に施される釉薬はほとんどに貫入と言われるひびが入っています。これは土と釉薬の収縮率の違いによって発生する物で、この性質を活かした意匠が繊細な詫びの美しさを演出します。磁器に施される釉薬にも貫入が入る物があります。貫入がはいったものは通常の磁器より多少強度が落ちる事が一般的です。また、磁器の土自体に吸水性はほとんど有りませんが貫入のひびの中に食材の色素や油、汚れが入り込む事があります。充分ご注意してご使用ください。
6.釉薬の変色について
磁器には磁器の堅さを活かす為に最適な透明なガラス質の釉薬を施す事が一般的です。しかし近来、様々な色や質感の釉薬が開発され人々の目を楽しませています。この様な釉薬の多くは銅,鉄,マンガンなどの酸化金属を顔料として使用しています。釉薬全体が均一の状態になり色を付ける物も有れば、表面だけに金属分が被膜を作り特徴的な質感を作り出す物もあります。このような釉薬を用いて製造された商品は酢などの強い酸性物や洗剤などの強いアルカリ物に弱く、表面の被膜を傷つけ、シミの様に黒く変色してしまう場合が有ります。また、表面が吸水性を持ち、油などを吸収してシミになってしまう事も有ります。特に結晶や窯変など焼き物の表面が金属質になっていたり、ザラザラとした質感の焼き物には強い酸性やアルカリ性の物質をご使用になりませんようお気を付け下さい。
7.上絵付けについて
上絵付けは酸化金属等を調合した上絵具で文様を描き、およそ800度の低温で焼いて加飾する技法です。自由で鮮やかな彩色ができる反面、釉薬の表面に低温で焼きつけている為、摩擦に弱く、使用するごとに退色したり擦れたりするなど劣化してしまいます。また、銀など焼付けした後にも酸化して変色する物も有りますが、使うごとに変るその景色をお楽しみ下さい。また、急激な温度変化により剥離してしまう可能性がありますので電子レンジのご使用はお勧めできません。
8.イングレ-ズ絵付けについて
上絵と近い絵の具で文様を描き、およそ1200度で焼付けて加飾する技法です。この技法では釉薬の中に絵具が沈み込みますので上絵付けの様に劣化する事は有りません。ただし、上絵付けと比べると高温で焼付ける為、発色の鮮やかさや色のバラエティーにおいては多少劣ります。
9.レンジ不可について
陶器、上絵の器など電子レンジのご使用はお勧めできないものが多く有りますが特にレンジ不可のマークが付いている商品は火花放電を発生させる恐れがありますので絶対にご使用にならないで下さい。食品などに引火したり、電子レンジ自体にダメージを与える危険性が有りますのでお気を付け下さい。
10.手描きについて
上絵付けや染付で加飾された商品の多くは職人の手描きによる絵付けを施されています。色合いの微妙な変化や自然な線の一本一本が手造りの温かみを表現しています。商品毎に生じさせる微妙な趣の違いをお楽しみください。
11.食器の洗浄について
柔らかいスポンジで汚れを取り除いてください。磨き粉やタワシ、スチールウールなどで擦ると傷がつき汚れの原因となります。また温水の温度によっては、タンパク質が固化して食器に付着して落ちにくくなる場合があるのでご注意ください。洗剤濃度は指定された濃度で行ってください。また強アルカリの洗剤や塩素系の漂白剤のご使用は漆器などの塗物にご使用されると塗膜剥離や樹脂劣化の原因となりますのでご注意ください。
12.商品特性表示
用途区分 | 絵記号 |
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強化 | |
軽量 | |
貫入 | |
上絵付 | |
イングレ | |
直火 | |
オーブン | |
電子レンジ不可 | |
IH対応 | |
原産国 |
|
13.材質表示
用途区分 | 表示 |
---|---|
磁器 | (表示しない) |
土物 | 土物 |
半磁器 | 半磁 |
ガラス | ガラス |
金物 | 金物の材質 |
竹製 | 竹製 |
木製 | 木製 ※合板の場合は合板 荷木の場合は荷木 アカシアの場合はアカシア 木の場合は状況により入手可能な木材に塗加工を施しています etc |
樹脂 | 樹脂 ※プラスチックの場合はプラスチック ウレタンの場合はウレタン etc |
14.漆器材質表示 (P528〜541)
用途区分 | 絵記号 |
---|---|
ABS樹脂 | |
耐熱ABS樹脂 | |
FRP樹脂 | |
塩化ビニール | |
ポリプロピレン | |
メラミン | |
アクリル樹脂 | |
ポリブチレン テレフタレート |
|
木製品 | |
竹製品 | |
鉄製品 |
15.商品サイズの測り方基準
用途区分 | 表示法 |
---|---|
丸皿は直径 | 径○○cm |
長角皿は辺を測る | 長辺○○cm×短辺○○cm |
角鉢 | 長辺cm×短辺cm×高さcm |
多用丼・鉢 | 直径cm×高さcm |
容器(徳利・急須など) 容量(満杯)のいる品は |
1号=約180cc. 1号、2号、10号で表す |
寿司ゆのみ・湯呑 | 外直径cm×高さcm(cc.) |
フタ物(フタ物・むし・平むし) | 身の直径cm×蓋付の高さcm |
変形物・貝型 | 長径cm×必要とする径cm |
コーヒー碗・マグ・ブリオン | 外直径cm×高さcm(cc.) |
ポット・シュガー・クリーマー・ラーメン丼等 | 一杯容量cc.で表示 |
土鍋・行平・スリ鉢 | 1号=1寸(約3.0cm) |
※ラーメン丼や深みのある器の容量は、満杯の量を記載しております。
16.商品スペックの表示方法
17.「耐熱用食器」の「ご使用上の注意」
用途区分 | 絵記号 | 記載文 |
---|---|---|
直火 | 加熱調理などの目的で直接火炎に当てて用いるもの。 | |
土瓶蒸し等で固形燃料対応のもの。 | ||
オーブン | 直火には使用できません。 | |
電子レンジ不可 | オーブン・直火には使用できません。 |
18.サイズ早見表
寸 | cm |
---|---|
3.0寸 | 約9cm |
3.5寸 | 約10.5cm |
4.0寸 | 約12cm |
4.5寸 | 約13.5cm |
5.0寸 | 約15cm |
6.0寸 | 約18cm |
7.0寸 | 約21cm |
8.0寸 | 約24cm |
9.0寸 | 約27cm |
尺 | 約30cm |
尺1 | 約33cm |
尺2 | 約36cm |
インチ | cm |
---|---|
51/2″ | 約14cm |
61/2″ | 約16.5cm |
71/2″ | 約19cm |
8″ | 約20cm |
9″ | 約23cm |
10″ | 約25.5cm |
12″ | 約30cm |
14″ | 約35.5cm |
16″ | 約40.5cm |